「あっちゃん、お花が咲いているよ!」

元気いっぱいに来所した子が、玄関のインターフォン越しに弾んだ声で教えてくれました。 急いで外へ飛び出してみると、そこには鮮やかな「ガザニア」が一輪、誇らしげに咲いていました。
このガザニアには、小さなお話があります。
もともとは、ご近所のお庭で愛されていたお花でした。しかし、あるご事情で伐採されることになり、「お花がかわいそう……」と思わず口にした私に、持ち主の方が「育ててくれるなら」と分けてくださったのです。
「でもね、越冬できるかはわからないわよ」
そう言われて譲り受けたガザニア。実は関東の冬を越すのはとても厳しく、霜に当たっただけでも枯れてしまうほど繊細な性質を持っています。ところが、まぁはすのガザニアは、雪が積もっても、凍えるような朝でも、なぜかずっと元気なのです。
それはきっと、毎日この花を「わあ、きれい!」「咲いたよ!」と優しい眼差しで見守ってくれる、子どもたちの温かな心のエネルギーが届いているからに違いありません。
「早く、早く」の向こう側にあるもの
私たちはついつい、日々の忙しさの中で「早く、早く!」「そんなことより、こっちを先に!」と、子どもたちを急がせてしまいがちですよね。効率を求め、最短距離で正解に辿り着こうとする……それは、生成AIが得意とする「最適化」の思考かもしれません。
けれど、お子さんがふと足を止め、「お花が咲いた!」と心を動かす瞬間。 そのとき、お子さんの内側では、生成AIには決して持つことができない「豊かな感性」が芽吹き、育っているのです。
世界でたった一人の「自分」を創るために
効率よく知識を詰め込むことよりも、こうした小さな変化を愛で、驚き、感動すること。 この「道草」のような時間こそが、お子さんの心に深い栄養を蓄え、誰にも真似できない世界でたった一つの『自分』を作り上げていくのです。
ガザニアの花言葉には「あなたを誇りに思う」という意味があります。 小さな花の変化に気づける、その瑞々しい感性を持つお子さんを、私たちも「誇り」に思いながら、大切に見守っていきたいですね。






