
褒めることは、子どもや部下を育てる上で重要な要素の一つです。
しかし、安易な褒め言葉が、実は子どもの自信や意欲を損なう可能性があることを知っていますか?
安易な褒め言葉の弊害
- 自尊心の低下:
表面的な褒め言葉は、子どもに「自分はいつも褒められなければならない」という思いを植え付け、
結果的に自尊心を低下させる恐れがあります。
例)「すごいねー!」「さすが!」など。 - 依存心の助長:
表面的な褒め言葉に慣れてしまうと、子どもは褒められることによってしか自信が持てなくなります。
また、失敗した時にも褒められなければ、やる気がなくなってしまうかもしれません。
例)テストで良い点数を取ってきても、親に見せなくなる。 - 成長の妨げ:
表面的な褒め言葉は、子どもの努力や成長を過大評価してしまうことがあります。
そのため、子どもは「自分はもう十分頑張っている」と思い込み、さらなる成長の機会を
逃してしまう可能性が出てきます。
例)「もう、できているから頑張らなくてもいいや」
効果的な褒め方
- 具体的に褒める:
「よくできたね」という抽象的な褒め言葉ではなく、「この部分の工夫が良かったね」や
「最後まで頑張ったね」など、子どもが実際に行ったことに対して、”具体的”に褒めることで、
子どもは自分の努力が認められたと感じることができます。 - プロセスを褒める:
「結果」だけでなく、「プロセス」を褒めることも大切です。
子どもの”努力”や”挑戦する姿勢”を褒めてあげましょう。
例)「間違っても、諦めずに頑張ったね」
「新しいことに挑戦する姿勢が素晴らしいね」 - 自己肯定感を育む:
「あなたは素晴らしい」や「なんでもできるよ」といった抽象的な言葉ではなく、
「自分はこういうところが良いんだ」と子どもに自信を持たせるような言葉かけをしましょう。
例)
・前は難しかったけど、今は一人でできるようになったね。すごい成長だよ。
・○○(お子さんの名前)は、面白い発想がたくさんできるところがすごいね。
・背筋を伸ばして、相手の目を見て、笑顔で挨拶ができるようになったね。
・お手伝いありがとう。手伝ってくれたおかげで、早く片付けることができて、とても助かったよ。 - 挑戦する心を育てる:
「次はもっとこうしてみよう」や「もっと上手になりたいな」と、子どもが、自発的に
さらなる上を目指していくように促すような言葉かけをしましょう。
例)
・この方法以外にも、もっと良いやり方があるかもしれないよ。どんなことができそう?
・やってみたら、できたでしょう?自分を信じて、次もがんばろう!
・この本を読んでみたら、新しい発見やいいヒントが得られるかもしれないよ。
【まとめ】
効果的な褒め言葉は、子どもや部下の『成長を大きく後押しする力』を持っています。

1。自己肯定感の向上:
具体的に褒められることで、「自分はできる」「自分には良いところがある」という感覚が育まれ、
自己肯定感が高まります。
⇨これは、新しいことに挑戦する勇気や、困難を乗り越える力につながります。
2。内発的動機づけの促進:
褒められることで、外発的な報酬(褒め言葉)だけでなく、内発的な喜びや達成感を感じるようになります。
⇨「もっと上手になりたい」「次はこうしてみよう」という自発的な意欲が湧き、主体的な成長を促します。
3。学習意欲の向上:
努力やプロセスを褒められることで、「頑張ればできる」「努力は報われる」ということを学びます。
⇨学習意欲を高め、粘り強く学ぶ姿勢を育てます。
4。良好な人間関係の構築:
褒めることは、相手への関心や尊重を示す行為です。
効果的な褒め言葉は、信頼関係を築き、良好なコミュニケーションを生み出します。
⇨チームワークを高め、協力して目標を達成する力を育てます。
成長の加速:
褒められることで、自分の強みや改善点に気づきやすくなります。
⇨効率的な成長を促し、より早く目標を達成することにつながります。
ぜひ、相手の潜在能力を開花させる力となるような”褒め方”に取り組んでみてください。ご参考になりましたら幸いです。